「つぶ貝を食べる機会が結構ある」という方もいると思います。


寿司ネタや酒の肴など、様々な料理に使われるつぶ貝ですが、実は毒を持っているため、正しい処理をしないと食中毒になる可能性があるんです!


今回は、意外と危険なつぶ貝について、「食べる時に注意しておくべきポイント」をご紹介します。


スポンサードリンク



特記すべきつぶ貝の3つの成分



つぶ貝

つぶ貝は栄養豊富な食品の1つで、様々な成分が含まれています。


中でも特記すべきなのは



ビタミンB12
マグネシウム
アミノ酸


の3つです。


ビタミンB12



つぶ貝には、100gあたり6.5μgのビタミンB12が含まれています。


ビタミンB12はDNAや赤血球の合成、神経の修復などに欠かせない栄養素です。


ところが、野菜や果物にはほとんど含まれていないため、つぶ貝をはじめとする貝類や魚類、肉類などの動物性食品から摂取する必要があります。


マグネシウム



つぶ貝には、100gあたり92mgのマグネシウムが含まれています。


マグネシウムには、エネルギー代謝を促進する効果や、カルシウムと共に骨や歯を形成・精神を安定させる効果があります。


長期にわたって不足すると、心臓病・糖尿病・骨粗しょう症などのリスクが上がるため、積極的に摂取する必要があります。


アミノ酸



つぶ貝には、次のような様々な種類のアミノ酸が含まれています。



イソロイシン
チロシン
アラニン
ロイシン
トレオニン
アスパラギン酸
リジン
トリプトファン
グルタミン酸
メチオニン
バリン
グリシン
シスチン
ヒスチジン
プロリン
フェニルアラニン
アルギニン
セリン



アミノ酸は内臓・皮膚・筋肉・血管のもととなっているタンパク質を合成するのに欠かせない成分であり、人間の体の約20%を占めています。


ただ、中には食べ物を通して摂取しなければならないアミノ酸もあるため、つぶ貝をはじめとする食品から摂取する必要があります。


※その他の栄養素




ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB6
葉酸
パントテン酸
ナトリウム
カリウム
カルシウム
リン

亜鉛


など



つぶ貝の毒の秘密は「テトラミン」



何かに気付く指

様々な調理法で食べられているつぶ貝ですが、実は唾液腺と呼ばれる器官に毒があり、この毒によって食中毒を引き起こします。


この毒の正体は「テトラミン」と呼ばれる貝毒。


「ツブのアブラを食べると酔う」という話、聞いたことがある方もいると思うのですが、神経を麻痺させる成分を含んでいるため、



視力の低下
めまい
物が二重に見える



といった、まさに酒に酔ったようなかのような症状が出ます。


他にも、


吐き気
嘔吐
下痢
異常なまぶしさを感じる(羞明・しゅうめい)



といった症状が現れることもあります。


特に、酒の肴としてつぶ貝を食べていた場合、テトラミンによる食中毒の症状が現れても「酔っているだけだ」と勘違いしてしまうこともあります。


ちなみにこのテトラミンは、映画「武士の一分」で木村拓哉さん演じる「三村新之丞」の失明の原因でもあります。


死亡例はない



テトラミンによる食中毒は、今までに死亡例は報告されていません。


つまり、死の危険性は高くないので、必ずしも受診しなければならないというわけではありません。


安静にしていれば症状は治まってきます。


ただ、症状が強い場合や、何時間か経っても症状が改善しないようであれば、すぐに病院を受診して「つぶ貝を食べた」ということを伝えて下さい。


また、疾患を持っている場合は重症化することも十分に考えられるため、念のため受診したほうが良いでしょう。


いずれにしても、つぶ貝を食べた後に「もしかしたらつぶ貝が原因かな?」と思われる症状が出た場合は、不安なまま過ごすよりも医療機関に相談するか、必要であれば受診したほうが安心かもしれません。


スポンサードリンク



つぶ貝を安全に食べるポイント3つ



いそつぶ煮

死亡例がないとはいえ、テトラミンが体に悪影響を及ぼすことであることに変わりはありません


食中毒にあわないためにも、つぶ貝を安全に食べるポイントを知りましょう。


ポイント1「毒がある器官はどこにあるのか」を知ろう



前述した通り、つぶ貝の食中毒の主な原因は「唾液腺」に含まれている「テトラミン」です。


本来、つぶ貝とは何種類かの貝の総称であり、具体的にどの貝のことを指すかは決まっていませんが、つぶ貝と呼ばれる主な貝の中の「エゾホラモドキ」の唾液腺は、貝1つ分で食中毒症状を引き起こすほどのテトラミンが含まれています。


テトラミンは酸や熱に対して非常に強いため、冷凍や加熱をしても毒性は消失しません


また、内因性の成分なので、産地や季節によって消失することもありません


それほどまで、このテトラミンの毒性は強力なのです。


ポイント2「食中毒にならないための方法」を知ろう



食中毒を防ぐためには、原因であるテトラミンが含まれている唾液腺を取り除くしか、方法はありません。


市販されているつぶ貝のむき身や缶詰は、あらかじめ唾液腺が取り除かれています


また、飲食店などで提供されているつぶ貝も、処理が適切であれば、テトラミンを口に入れてしまう可能性はとても低いです。


一番怖いのは、殻付きのつぶ貝を購入などして自分で捌くときに、唾液腺のことを知らずにそのままにしてしまうことです。


最近は市場やスーパー、通販などでも様々な食材を簡単に購入することができるようになりましたが、つぶ貝のように、自分で毒の処理をしなければならない食材もたくさんあります。


特に貝類には、食中毒を引き起こす部位を取り除く必要があるものが多いので、他の食材に比べて危険性が高いと言えます。


初めて自分で調理する食材を購入する時は、その下準備や処理方法をあらかじめ検索するなどして、知識を身につけておいたほうが安全です。


ポイント3「唾液腺の取り方」を知ろう



そんなつぶ貝の唾液腺ですが、実は手で簡単に取ることができます


唾液腺の場所とコツさえ覚えれば、特別な技術も必要ないために簡単に手早く行うことができますよ。



【つぶ貝の唾液腺の取り方】

①貝の中から身を取り出す
②内蔵と肉に切り分ける(内蔵は捨てる)
③貝のふたを下にし、真ん中から包丁で切る
④開いた左右にある乳白色の唾液腺(スポンジのような感触)を手ではがすように取り除く
⑤水でしっかりと洗い流す



なんと、たったこれだけで唾液腺を取り除くことができるんです。


包丁を入れる場所と唾液腺の場所さえわかってしまえば、あとは手だけでできてしまうので、調理にも余計な手間はかかりませんよ。


お子様と一緒に作業する時は、正しい部位の位置とやり方を教えて、仕上げに大人の方がきちんと取り除けたか確認して下さいね。


唾液腺さえ処理すれば、つぶ貝は様々な調理に使うことができるので、この処理だけは怠らないようにしてくださいね。


食べ過ぎは絶対ダメ!



唾液腺さえ取り除いてしまえばおいしく食べられるつぶ貝ですが、おいしいからといって「たくさん食べても良い」というわけでもありません


唾液腺からテトラミンが肉の部分(可食部)に移り、その流れで体に摂り込んでしまうこともあります。


つまり、唾液腺を取り除いた状態であっても、食べ過ぎると食中毒の症状が現れる可能性があるので、食べ過ぎないように注意してください。


唾液腺は必ず取り除いてから調理しよう!



今回はつぶ貝について、「食べる時に注意しておくべきポイント」をご紹介させていただきました。


様々な料理に使われているつぶ貝ですが、残念ながら「中毒症状が起きる」ということや、その原因を知らない方はまだまだ多いようです。


唾液腺が取り除かれていない状態のつぶ貝を調理する機会がある方も多いと思うので、その際は必ず唾液腺を取り除いてから調理すると共に、食べ過ぎには注意してくださいね。


スポンサードリンク