貝好きの方々から根強い人気を誇るバイ貝


最近は、スーパーや市場などでも簡単に購入できるようになってきました。


おいしく様々な調理法で食べられているバイ貝ですが、実は毒を持っているため、食べ方に注意しなければ中毒症状を引き起こしてしまう可能性があります。


今回は、バイ貝の貝毒を予防するために、食べ方で注意すべきポイントについて解説します。


また、あわせてバイ貝を美味しく食べる方法も3つご紹介します。


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バイ貝とは?



バイ貝

バイ貝とは、エゾバイ科に属する巻貝のことです。


全国各地で獲れる貝であるため、市場にもよく出回っています。


春から夏にかけての時期が一年の中で一番おいしいので、この時期になるとバイ貝が多く出回るようになります。


バイ貝の栄養素



バイ貝をはじめとする巻貝には、



タンパク質
カリウム
リン
ナトリウム
亜鉛
ビタミンB2
ビタミンB12
ナイアシン7
パントテン酸
ビタミンC
ビタミンE
タウリン
ベタイン


などといった豊富な栄養素が含まれています。


特記すべきは「タウリン」と「ベタイン」で、どちらも肝臓の働きをサポートする働きを持っています。


バイ貝のそっくりさんがいる!



実はバイ貝、そっくりな貝があるんです。


そのそっくりさんというのが、俗にいう「つぶ貝」と呼ばれる巻貝です。


バイ貝とツブ貝はあまりにも種類が多いために、地域や種類によって混同されやすく、ツブ貝をバイ貝と呼んだり、その逆でバイ貝をツブ貝と呼んだりすることもよくあります。


ただ、この2つの貝はどちらもエゾバイ科の仲間なので、混同されてもそれほど問題にはならないようです。


主に、「バイ(クロバイ)」「エッチュウバイ(白バイ)」という種類の巻貝がバイ貝と呼ばれるもので、「ヒメエゾホラ」「エゾホラ」という種類の巻貝がツブ貝と呼ばれるものです。


代表的なこの4種類の巻貝を覚えておけば、ツブ貝とバイ貝を混同することは少なくなると思います。


混同されやすいバイ貝とツブ貝ですが、よーく見ると見た目に明らかな違いがあります。


バイ貝のほうは、貝殻の表面に凹凸が少なく、丸みを帯びています


一方でツブ貝のほうは、貝殻の表面に凹凸が多く、ゴツゴツとしています


「バイ貝は毒がある」とはどういうこと?



口を押えて驚く女性

バイ貝について簡単に知っていただいたところで、本題に移ります。


まずは「バイ貝は毒がある」ということについて解説したいと思います。


おいしいバイ貝ですが、実は毒があります。


バイ貝が毒を持つ時期がある



基本的にバイ貝には毒はありませんが、毒を持つ時期があります。


それは7月から9月にかけての時期です。


この時期になると、内臓にある「中腸腺」という部分に毒を持つことがあり、食べてしまうと



視力低下
瞳孔が開く
唇のしびれ
喉の渇き


といった中毒症状が引き起こされる場合があります。


もっと重度なものだと、けいれんや意識混濁などの症状が現れ、命に関わる危険な状態となる恐れがあります。


ツブ貝による食中毒も…



先ほど、「ツブ貝とバイ貝は混同される可能性がある」というお話をしましたが、もしもツブ貝がバイ貝として売られていた場合のことも考える必要があります。


というのも、「ツブ貝による貝毒」というのも存在するからです。


ツブ貝には「テトラミン」と呼ばれる物質によって引き起こされます。


このテトラミンは、ツブ貝の中の唾液腺という器官に含まれています。


唾液腺をしっかりと取り除くことで、中毒症状を予防することができます。


ですが、この唾液腺を取らずに調理してしまうと、加熱や冷却をしても消滅しないテトラミンによって、



めまい
頭痛
眠気
ものが二重に見える(視覚異常)



といった中毒症状を引き起こしてしまいます。


食後30分〜60分ほどで症状が現れますが、酒に酔っているときと似た症状なので食中毒に気づかないということもあるようです。


そして、発症してから2〜5時間ほどで回復するため、余計にお酒に酔ったものと勘違いしてしまうようです。


幸いにも死亡例は報告されていませんが、疾患がある場合は重症化することも考えられるため、症状がひどい場合は速やかに医療機関を受診して下さい。


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貝毒は他にも…



今回はバイ貝、そしてバイ貝と混同されやすいツブ貝によって発症しやすい貝毒についてご紹介していますが、貝毒は他にもあります。



【麻痺性貝毒】

ホタテガイ・アサリ・カキ・ムラサキイガイといった二枚貝が、有毒プランクトンを食べて毒化することで発生する貝毒。

唇・舌・顔面にしびれや麻痺の症状が起こり、最悪の場合は呼吸麻痺を起こして命を落とすこともあります。




【下痢性貝毒】

ホタテガイ・ムラサキイガイ・アサリ・ウバガイ(ホッキ)といった二枚貝が有毒プランクトンを食べ、毒化することで発生する貝毒。

激しい下痢・吐き気・嘔吐といった消化器症状を起こしますが、致命的なものではありません。




【神経性貝毒】

カキやタイラギといった貝が有毒プランクトンを食べて毒化することによって発生する貝毒。

口内の灼熱感・紅潮・運動失調といった症状が起こります。




【光線過敏症】

貝毒とは少し違うかもしれませんが、アワビの中腸線(ワタ)が「クロロフィル」という毒を持つ、2~5月頃に発生する貝毒。

光線に過敏な状態になり、紫外線が当たった部分が赤くなる・腫れる・痛みが出るといった症状が起こります。



【記憶喪失性貝毒】

ムラサキガイ・イガイ・ホタテガイ・マテガイなどの二枚貝が「ドウモイ酸」に毒されることによって発生する貝毒。

消化器系の症状の他、記憶を司る「海馬」を破壊して記憶喪失を引き起こします。

最悪の場合は死に至ることもあります。




【イモガイによる外傷性の中毒】

毒を持つイモガイに刺されることによって発生する貝毒。

全身に麻痺の症状が現れ、最悪の場合は死に至る可能性もあります。



※ちなみに、貝によって感染することがある「ノロウイルス」「腸炎ビブリオ」「大腸菌」といった食中毒は、貝毒とは別のものです。


食べ方で注意すべきポイント



一般注意マーク

おいしいバイ貝で中毒症状を起こさないようにするための、食べ方で注意すべきポイントを2つご紹介します。


唾液腺や内臓を取り除く



毒がある唾液腺や内臓は、缶詰やお惣菜など調理されているものは取り除かれて販売されています。


気をつけなければならないのは、家庭で調理をする場合です。


唾液腺の存在を知らずに調理してしまうと、中毒症状を引き起こす可能性は十分にあります。


そんな事態を避けるためには、唾液腺や内臓を取り除く方法を知っていなければなりません。


こちらは、唾液腺と内臓を取り除く方法の動画です。





内臓と身の部分は簡単に切り離すことができますが、唾液腺は身の中にあります。


唾液腺は乳白色から淡黄色をしているので、開いてみて見ると色の違いでわかると思います。


このとき、無理矢理引っ張って取ったりせず、力を入れすぎない程度にすると唾液腺が破れる心配がありませんよ。


貝から身を取り出さず、千枚通しなどで唾液腺を取り除く方法もありますが、少々コツがいるのでまずは身を取り出してから取り除く方法を行ってみて下さいね。


死んだバイ貝を調理しない



意外と忘れてしまったり、気にせずに行ってしまうのが「死んだ貝を調理してしまう」ということ。


購入したは良いものの、使わずに放っておいてしまった…ということもあると思いますが、安全に食べるのであれば、生きた状態で調理する必要があります


これはバイ貝以外の貝にも言えることですが、死んだ貝は急激に菌が繁殖してしまうため、食中毒を引き起こす原因にもなります。


冷凍できる貝もあるので、すぐに調理しない場合は砂抜きと下ゆでを行い、冷凍するようにしまいましょう。


美味しく食べる方法3選



最後に、バイ貝を美味しく食べる方法を3つご紹介します。


バイ貝を美味しく食べるのであれば、



酒・醤油・みりんで「煮付け」にする
酒・醤油で「酒蒸し」にする
酒・塩で「塩茹で」にする


といったシンプルな食べ方がオススメです。


お酒に合うので、おつまみとして食べている方が多いようです。


バイ貝には、アルコールを分解する肝臓の働きを助ける効果がある栄養素も含まれていますから、お酒のおともには最適ですね。


注意すべきポイントを押さえておけば大丈夫!



バイ貝の貝毒を予防するために食べ方で注意すべきポイントや、バイ貝を美味しく食べる方法などについてご紹介させていただきました。


煮付けや刺身など、様々な食べ方ができるバイ貝


注意すべきポイントを押さえておけば、安全に美味しく食べることができます。


春が近づいてきたこの季節、お酒のつまみやご飯のお供に、ぜひ召し上がってみて下さいね。


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