妊娠初期に欠かせない栄養素として知られている「葉酸」


葉酸を摂取する方法としては、食べ物やサプリメントなどがありますが、「一体いつまで摂取すれば良いの?」という疑問が残ると思います。


また、赤ちゃんのために葉酸をたくさん摂ろうとしても、摂りすぎた場合に何か危険性があるのであれば、そのこともあらかじめ知っておきたいですよね。


今回は「葉酸の摂りすぎの危険性」と、「いつまで摂るのがオススメか?」ということについて解説します。


葉酸とは?



まな板のほうれん草

葉酸(ビタミンB9)とは、1941年にほうれん草の葉から発見された、水溶性ビタミンB群の一種です。


細胞や、人間の体の15~20%を占めているタンパク質を作り出すのに欠かせない遺伝物質である「DNA」や「RNA」を合成するという、非常に重要な役割を果たしているビタミンです。


そのため、ものすごいスピードで細胞分裂が行われる胎児にとっては、絶対に欠かすことのできないビタミンです。


また、葉酸は造血作用があり、鉄分やビタミンB12と共に貧血予防には欠かせないため、妊娠しているかどうかに関わらず、全ての方の健康に必要不可欠なビタミンです。


なぜ妊娠初期に葉酸が必要なのか



妊娠初期に葉酸が必要なのは、胎児の先天性異常を予防するためです。


妊娠初期の、胎児の神経管が作り出される時期に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という先天性疾患を発症するリスクが高まります。


神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄を作る元になる「神経管」と呼ばれる管状の細胞の一部が塞がり、脳や脊髄が正しく成長できなくなる疾患です。
神経管のどの部分が塞がってしまうかで障害の現れ方は異なり、主に以下「二分脊椎症」と「無脳症」の2つが見られます。
日本国内での発症率は、二分脊椎症に限れば1万人に5人前後といわれます。

※「こそだてハック(https://192abc.com/50123)」より引用


下部の神経管に障害が起こると「二分脊椎症」、上部の神経管に障害が起こると「無脳症」になります。


二分脊椎症の場合は下半身に障害が現れるため、運動障害・歩行障害・排尿障害・排便障害といった障害を抱えてしまいますし、無脳症の場合は脳が欠損した状態になるため、流産か死産になる可能性が高いです。


葉酸は妊娠前から摂取すべき!!



葉酸の摂取に関しては、「妊娠初期から摂取し始めるもの」としてとらえている方もいるようです。


妊娠初期に必要なビタミンであることに変わりはないのですが、妊娠前から摂取すべきビタミンなのです。


たいていの方が「生理が遅れている」「体調が良くない」といった形で妊娠していることに気が付くのは、妊娠4~5週頃です。


妊娠してから「この日辺りに妊娠したんだな」と逆算することはできますが、妊娠したタイミングは、妊娠に気付いて産婦人科を受診しなければわかりません。


ところが、神経管が作られるのは妊娠3~6週頃と、妊娠初期のうちでもかなり初期のほうです。


妊娠していることに気づいていない方も多い時期です。


そう考えると、「いつ妊娠するかわからない」という状況下にある時点で、葉酸の積極的な摂取を始めなければなりません


実際に葉酸の摂取は、妊娠の1ヶ月前から始めることが推奨されています。


厚生労働省でも、


妊娠を計画している方や妊娠の可能性がある方は、「1日400μg」を目安に摂取するように


という指標を出しています。


着床率を上げる効果も!



妊娠前から葉酸を摂取することで、妊娠しやすい状態にすることもできます。


葉酸は子宮内膜を厚くしてくれるので、受精卵が着床しやすくなり、結果的に妊娠へとつなげることができるのだそうです。


こういった意味でも、妊娠する前からの葉酸の摂取は大事なのです。


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期間別でみる葉酸の効果と摂取量



 妊婦さん

ここからは、妊娠初期・中期・後期それぞれにおける葉酸の効果と必要な摂取量、そして葉酸の他にも意識して摂取しておきたい栄養素についてご紹介します。


妊娠初期(1ヶ月~4ヶ月・0週~15週)




【葉酸の効果】
胎児の正常な発育をサポートする
先天性異常のリスクを下げる
貧血を予防する
流産・早産を予防する
子宮内胎児発育遅延(IUGR)を予防する
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を予防する



【必要な摂取量】
1日あたり0.4mg(400マイクログラム)
※推奨量は1日あたり0.48mg(480マイクログラム)



【他に摂取しておきたい栄養素】
カルシウム
鉄分
ビタミンB12



妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月・16週~27週)



【葉酸の効果】
流産・早産を予防する
貧血を予防する
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を予防する



【必要な摂取量】
1日あたり0.4mg(400マイクログラム)
※推奨量は1日あたり0.48mg(480マイクログラム)



【他に摂取しておきたい栄養素】
カルシウム
鉄分
ビタミンC
ビタミンB12



妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月・28週~43週)



【葉酸の効果】
貧血を予防する
免疫機能や消化管機能を向上させる
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を予防する



【必要な摂取量】
1日あたり0.4mg(400マイクログラム)
※推奨量は1日あたり0.48mg(480マイクログラム)



【他に摂取しておきたい栄養素】
カルシウム
鉄分
ビタミンB6
ビタミンB12



葉酸を摂取するのはいつまで?



葉酸に関しては、妊娠する前から意識して摂取すべきであるビタミンであることはお分かりいただけたかと思います。


では、妊娠前や妊娠初期に摂取を始めた葉酸はいつまで積極的に摂取し続ければ良いのかというと、授乳を終えるまでです。


というのも、母乳はお母さんの血液を元にして作られているからです。


要するに、お母さんは赤ちゃんの母乳の分まで血を作り出さないといけないので、造血作用のある葉酸は必要不可欠な状態が続いているわけです。


実際に授乳中は、1日あたり0.28mg(280マイクログラム)の葉酸が必要とされています。


※推奨量は1日0.34mg(340マイクログラム)


また、葉酸は母乳のもととなる血液を作り出すだけではなく、血行を促進する効果もあるため、母乳の出も良くなります。


そのため、母乳で授乳している間は、造血作用のある葉酸のサポートを受ける必要があるのです。


ですから、具体的には意識して葉酸を摂取し続けるのは卒乳まで次の子の妊娠を希望しているのであれば、授乳を終えてもそのまま続けて摂取し続けても良いでしょう。


産後の葉酸の効果は他にも!



産後も引き続き葉酸を摂取するように意識することで、



子宮復古(子宮の状態を回復させる)
産後の疲労回復
産後うつの予防


といった効果も期待できます。


葉酸の摂りすぎは危険?



頭を抱えて困る女性

葉酸の摂取量の1日の上限は、1日あたり1,000マイクログラム


妊娠前から卒乳まで意識して摂取すべき葉酸ですが、摂りすぎも実は危険です。


仮に葉酸を1日に1,000~10,000マイクログラム摂取してしまうと、次のような副作用が現れる恐れがあります。



【葉酸過敏症】
発熱・かゆみ・じんましん・呼吸障害

【巨赤芽球性貧血】
悪性貧血・四肢のしびれ・運動失調・歩行障害・記憶障害・栄養素の吸収率の低下
※葉酸の過剰摂取により、ビタミンB12 欠乏症の発見が遅れることによって発症。

【その他】
不眠症
吐き気
むくみ
食欲不振



このような副作用が引き起こされる恐れがあるので、葉酸の過剰摂取は危険です。


また、葉酸の過剰摂取により、赤ちゃんが喘息を発症する確率も上がるとも言われています。


母子ともに健康で過ごすためにも、葉酸の過剰摂取には気を付けるようにしてください。


摂取量に気をつければ副作用は予防できる



「葉酸の摂りすぎの危険性」と、「いつまで摂るのか?」ということについて解説させていただきました。


葉酸は過剰摂取すると副作用が現れる可能性がありますが、摂取量に気をつけていれば、副作用は予防することができます


そして葉酸は、妊娠初期に摂取するのが大事なので、妊娠前から妊娠4ヶ月までは特に強く意識して摂取する必要があります。


ただ、妊娠4ヶ月以降にも必要な栄養素ですし、授乳期にも必要な栄養素であるため、出産して妊娠を終えても、意識して摂取し続ける必要があります


お腹の赤ちゃんの健康のためにも、そしてお母さん自身の健康のためにも、葉酸を摂取するようにしてくださいね。


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